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2020.04.04

新宿二丁目ごみ問題解決に向けて~「新宿東清掃センター」の方にインタビュー

新宿二丁目ごみ問題解決に向けて~これまでの取り組みを振り返ってみる 」というブログを書いてから、約2週間が経ってしまいました。

なんだか気持ちが前向きになれず・・・

たった2週間前には外国人客の多いバー数件に影響が出ていたと記憶していますが、その後”新型コロナショック”の影響は広がり、新宿二丁目も例外どころか甚大な影響を受け、街全体に重苦しい空気が広がっています。

バーを経営されている方は自粛要請を受け、大変な状況にあるかと思います。また、この様な状況の中でも、街の環境保持のためにごみ収集を続けてくださる清掃職員の方には頭が下がります。

東京オリンピックは延期になりましたが、今年の夏までには新宿二丁目のごみ出しマナーを解決するという目標は持ち続けていきたいです。

前回のブログでもお伝えしましたが、2020年3月10日「新宿東清掃センター」の方へ新宿二丁目のごみ事情についてインタビューを行いました。

① 時間の問題

Q(私) 新宿二丁目のごみ収集は朝8時ですが、収集後に出されるごみ(後出し)が多く見られます。そのようなごみの対応はどのようにされていますか?

―(新宿東清掃センタの方)新宿二丁目は繁華街なので朝一番に収集することになっています。収集後と午後一番に「ふれあい指導班」が巡回・搬出調査を行い、排出者が確認できれば直接指導し、排出者が不明なものについては警告シールを貼付して周知しています。

② 内容の問題

Q 新宿二丁目のごみの内容について、他の繁華街と比較して特徴的な問題はありますか?

―燃やすごみ(可燃ごみ)の中にビン・缶が混入していることが多く、「資源回収は水曜日」や「可燃ごみにビン・缶をまぜないで」などのビラを用いて周知を行っています。

―事業系有料ごみ処理券貼付をしていただいている事業者もいますが、未貼付の事業者が多数存在し、公平性が保たれていません。

リサイクルの問題

Q 新宿二丁目ではビン・缶・段ボールといった資源ごみの多くが分別されず、可燃ごみと一緒に出されているというお話がありました。ルールを守り、ビン・缶・段ボールをそれぞれ分別することで、どのようにリサイクルされるのでしょうか?

―ビンは回収後に生きびん(一升瓶など)と白色、茶色、その他色のビンに手作業で選別します。生きびんは洗浄後、傷などの品質検査を行ってからメーカー等に戻します。生きビン以外は色別に砕いて、再びガラスの原料として利用されます。※生きびん=リサイクルできるビン

―缶は、回収後に磁気によってスチール缶とアルミ缶に選別します。スチール缶(鉄)は鉄鋼資材として、アルミ缶(アルミニウム)はアルミ製品に生まれ変わります。ただし、空き缶の中に吸い殻や生ごみなどが入っているとリサイクルできません。

―段ボールは、新聞や雑誌類と分別して回収します。その95%以上は製紙工場で段ボールに再生されます。ただし、油が付着していたり、ビニールやアルミ箔でコーティングされた紙はリサイクルできませんので、燃やすごみとして出してください。

★誤って可燃ごみに出された資源(ビン・缶・ペットボトルや古紙)は、原則回収していません。しかし、集積所の状況等により止む無く回収した場合は、正しく選別するために経費(税金)がかかってしまいます。また、油や生ごみ等と混ざることで、資源としてリサイクルできなくなってしまいます。「資源」と「ごみ」をきちんと分けてくださるよう皆様のご協力をお願いします。

意識の問題

Q ごみの中身や泥酔者等により清掃職員の方が事故や危険な目にあったり、怪我をしたりといった、大変な思いをしたことがありますか?

―袋の中に割れたガラスや串などが入っていて、収集時に職員が怪我をした事例は多数あります。突起物は新聞等で包んで、ガラスは土曜日に出してください。

Q 清掃職員の方が夜間に新宿二丁目のお店を回り、ごみ出しマナーの調査・指導を行われたと聞いています。その時のお店の方から、どのような反応がありましたか?

―調査・指導の際に「事業系有料ごみ処理券の存在を知らない」と答えたお店が大部分でした。また、分別方法や収集日はわかっているが、店内にごみを置くスペースが無く保管できないため、仕方なく集積所に出してしまうと答えたお店が多数ありました。

なるほど、”知らない・できない・関係ない”という問題。”知らない”を知らせるのは街や家主の「努力」、”できない”をやるのはテナントの「工夫」、”関係ない”を改めるのはみんなの「意識」、一つでも欠けてはだめだし、これまではこの3点セットが全然足りなかったんですね。

ちなみに、リサイクルができないゴミの最終処分場の寿命は、あと50年といわれているそうです。今後、リサイクルの重要性はますます大きくなっていきます。

⑤ 現状の変化

Q 現在、新宿二丁目町会では複数のビルで使用していたごみ置場を廃止し、ビルごとにごみ置場を設けるようにして管理強化を進めています。また、複数の団体がごみ拾い活動を実施しています。最近、ごみ収集をされていて何か変化を感じることはありますか?

―調査・指導に応じていただき、ビルごとに集積所を設けた場所は、ごみの量も減り適正に排出されつつあります。ただ、そのしわ寄せなのか、以前からの集積所の状態が悪くなるケースがありますので、巡回を強化しています。

⑥ 今後の課題と対策

Q 新宿二丁目のごみ問題についての課題、新宿東清掃センターの方からのご提案や改善策はありますか?

―まだまだ可燃ごみへのビン・缶の混入が多いため、地道に調査・指導を徹底します。

―事業系有料ごみ処理券の貼付に関して再度二丁目全店舗に周知を行います。未貼付のごみは集積所に残す対応をします。

―収集の無い日(特に日曜日)に集積所にごみを排出してしまうという問題も、周知を徹底すること等の手段により解決を図ります。

―収集後排出(後出し)も午後になると増えてくる傾向にあるので、調査・指導を引き続き行います。

最後に、私の意見としては、ビンについては酒屋での回収を徹底し、 缶とペットボトルは「つぶし器」等を活用することでごみを減らすこと、「事業系有料ごみ処理券 」は販売所を増やすことで認知してもらうことができるはずです。

そして、この日も上の写真の様に外部からと思われる粗大ごみが不法投棄されていました。捨てる人は最低ですが、捨てられる原因はないのかと言うと、どうでしょうか。これからも「新宿東清掃センター」の方と街が協力しあい、新宿二丁目ごみ問題の解決に向けて取り組んでいきたと思います。