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2017.09.01

飲食店営業許可申請時に必要なあの「緑の液体石鹸」の正体

「保健所で”緑の液体石鹸”を固定した手洗い場が必要だと言われました。」

弊社でも、飲食店やスナック・バーを開業するお客様からよくあるお話です。飲食店を開業するには、保健所に営業許可の申請をする必要があります。その際、キッチンとトイレに設置が必要なのが「手指の消毒装置=緑の液体石鹸」なのです。【参考】営業許可の取得について

TOTOの商品番号「L30」がおそらくシェアNO.1

この手洗いとセットで消毒装置(石鹸容器)が付いているのが一般的です。このTOTOの商品番号「L30(L5の後継器)」、一番安いという理由で新宿二丁目はほとんどがコレ。私の推測ですが、全国の飲食店を含めてもシェアNo.1だと思います。

液体石鹸について、新宿区保健所衛生課に問い合わせてみました。

Q.消毒装置は緑の液体石鹸じゃないといけないのですか?

A.昔はシャボネットという緑の液体石鹸しか商品が無かったのですが、今は他のメーカーからも液体石鹸が出ているようなので、そちらでも大丈夫です。

Q.液体石鹸ミューズ等を置いておくだけではだめですか?

A.流水受槽式手洗いと消毒装置をセットで”手洗い設備”と呼びますので、消毒装置(石鹸容器)は固定していただく必要があります。又、ミューズ等のどろどろした石鹸は消毒装置のつまりの原因になります。

Q.液体石鹸ミューズ等を固定してはだめですか?

A.ケース等に入れてしっかり固定していただければ大丈夫です。

そんなわけで、新宿区では「緑の液体石鹸じゃないとダメ!」ということではないようです。でも、自治体によっては「緑の液体石鹸で!」という保健所もあるとか。この”緑の液体石鹸”って一体なにもの?というわけで、調査してみました。

「緑の液体石鹸」はどこが製造しているの?

大阪市東住吉区に本社がある、1952年創業の「サラヤ」という会社。「ヤシノミ洗剤で有名な」と言ったほうがご存知の方が多いかもしれません。創業時に開発したシャボネットは、その当時の日本で赤痢が流行しており、”日本で初めての殺菌・消毒ができる石鹸”として全国の学校や施設で大ヒット。そして、”液体石鹸”は珍しかったため、石鹸容器も自社で製造販売していたそう。ちなみにこの会社、病院などで医師が使う業務用消毒液はシェアNo.1!

 

製造まではどうかわかりませんが、今でもサラヤ製の「石けん液容器」が売られてます。

何で緑色なの?

これ、私の中では最大の疑問です。テレ東のWBS「ロングセラー研究所」によると、

「緑は安全の色なので緑色をつけた。」

え、それだけ!?わざわざ着色しているんですね。確かに、緑十字は工事現場の安全第一、信号の緑(青)は渡ってOKという安全を象徴する色ですが…。理由はともあれ、結果的にロングセラーになれたのも緑だったおかげかもしれません。他に緑のイメージでは、”クリーン”とか”エコ”とかが考えられますが、その辺りはどうなんでしょう?

環境にはやさしいの?

「天然のヤシ油を原料にした植物性石けんで、手肌にやさしく地球環境にもやさしい。」サラヤHPより抜粋

手肌が荒れず、排水が河川などに影響を与えない自然派石鹸ということも、ヒットした要因だったんですね。ところが、ヤシ油の需要が伸びてくると、あるテレビ番組で「原産国ではヤシの伐採が進み動物の住む森がなくなっている。」との指摘が。「環境にやさしいと言っておきながら、裏では地球環境を破壊しているではないか!」会社には苦情や非難の電話が殺到します。すぐに原産国の植林や動物保護により森を復活、今でもヤシノミ洗剤等の売上の1%を寄付し続けているそうです。また、最近では、衛生環境の悪いアフリカでユニセフと共に”100万人の手洗いプロジェクト”を行っているとか。

どこで売ってるの?

「ヤシノミ洗剤」は知っているけど、「シャボネット」は知らない。一体どこに売ってるの?もちろん、インターネットで「シャボネット」と検索すればいくらでも出てきます。でも、どうせなら近くで購入したいですよね。というわけで、新宿二丁目周辺で探してみました!

■新宿二丁目の業務用スーパーといえば「クックY新宿店」

クックY新宿店

「シャボネット」は置いてないものの、同じような「花王製の薬用ハンドソープ」が売られてました。成分を見ると、こちらも”ヤシ油”、さらに”緑”で着色されてます。(パクリ!?)

■ここに来れば全てが揃う!「テンポス新宿店」

テンポス新宿店

サラヤ製は容器だけ、バーレックスというメーカーの業務用ハンドソープがありました。その他、旬鮮ダイニング(スーパー)や丁子屋(金物屋)、薬局にも一応行ってみたものの「シャボネット」は見つからず。結論、新宿二丁目周辺には売ってません(笑)。

「緑の液体石鹸」の正体、もうわかりましたね。

あれは、「自然」を大切にするサラヤという会社が作った「不自然な色の液体石鹸」だったのです。サラヤは戦後の高度成長期、環境を無視して成長する企業も多いなか「自然派」を追及し続けました。伝染病の予防のため、手洗いの必要性の提案から始まり、衛生分野のビジネスを展開する。それと同時に、環境に配慮した天然素材による商品を作り、環境保全活動による森の再生を行う。「人間と自然との共生」という理念、これからの時代、最も大切なことなのかもしれません。

 

サラヤ、なかなかいい会社じゃないか!

サラヤ「ボルネオ環境保全活動