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2020.10.27

書籍『このゴミは収集できません』を読んで「二丁目ゴミ問題」について考えたこと

近頃、新宿二丁目では「事業用シール」貼付が厳格化され、ゴミ戦争が起きています。

ルールを守らない一部のテナント。

不法ゴミを回収しない新宿区。

ゴミの山が点在する街。

そんなタイミングで、新宿二丁目町会の清掃委員長となった私。

いろいろと動いてはいるのですが、まだまだこれからが勝負。

そんな、ゴミ道「初級」の私。

最近の心の癒しが、こちらの2冊です。

『このゴミは収集できません』

『やっぱり、このゴミは収集されません』

ごみは朝8時までに出してください、ごみは分別しましょう、不法投棄は禁止、これらに違反する者のエピソードを、著者は芸人らしくコミカルに笑いのネタにされています。

その他、”得体のしれないゴミ、ありえないゴミとの格闘”といったキツーイ話や、”おもしろ事件とクレーム、ゴミ収集あるある、個性豊かなゴミ清掃員”など、ゆるーい話の中にも、

自分だけ良ければいいという考えはゴミ出しに表れる。

マシンガンズ滝沢修一(2018)『このゴミは収集できません』白夜書房

といった、二丁目にいる私にグサッと刺さる言葉もちらほら出てきます。

そんな私がこの二冊の中から、違法な事業者向けに伝えたい言葉をピックアップしてみました。

話題の本にも書かれてますよ~!

知らなかったでは済まされませんよ~!

事業者の方にも読んでほしい

恐ろしいのが、店をやっていて不法投棄をする鬼畜営業やろうがいる。事業ゴミを、家庭ゴミのようにしれっとおいていくのだ。

マシンガンズ滝沢修一(2018)『このゴミは収集できません』白夜書房

バレないだろうと思っていても、清掃員はもちろん、街の人も結構見てるんですよね。私も、今年の10月から毎朝ゴミを見ていますが、特に飲食店の不法投棄は特徴がありハッキリとわかります。

そして、私はその店には絶対に行かないし、周りにも行かないように勧めます。

お店の不法投棄は重罪だ。廃棄物処理法違反という法律違反で5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金なのである。これは未遂も含まれているので、国の本気度がうかがえる。当たり前だ。事業ゴミの不法投棄を許していたら、街はゴミだらけになってしまう。

マシンガンズ滝沢修一(2018)『このゴミは収集できません』白夜書房

街の集積所でも見かける「不法投棄は犯罪です!」の看板、私も以前は「んなわけないだろ、ゴミのことくらいで。」と思っていました。

でも、よく考えてみてください、こんなに重罪なんです。

ゴミのことくらいで、人生終わりますよ。

何度でも言うが、事業ゴミシールを貼らないで、集積所にゴミを置いた時点で法律違反。

マシンガンズ滝沢修一(2018)『このゴミは収集できません』白夜書房

二丁目でも、皆が何度も周知しているんですけど、今日(2020/10/27)現在でシールを貼らない店が3割くらいあります。

私も最近はしつこく伝えているのですが、区の収集はあくまでも居住者向けのサービス。「店舗や事務所の小規模事業者の方は、事業用ゴミシールを貼ってくれれば特別に回収します。(分別や収集日など)区のルール通りのゴミ出しが難しい場合は、民間事業者へごみ回収を委託してください。」ということ。

その前提がわかっていない人が多すぎると思う。

金いらないからゴミを回収しないと清掃員が全員言い出せば、一週間もあれば、街はゴミだらけになる。実際、年末年始で三十一日から三日まで回収しないだけで、一月四日の収集所はゴミで爆発している。コロナとは別に、過去にイタリアでは、システム上の問題で清掃崩壊が起き、悪臭や、ゴキブリ、ネズミの大ブーム時代が来て、観光客の足元を這いずりまわりパニックを起こしたという。

マシンガンズ滝沢修一(2020)『やっぱり、このゴミは収集できません』白夜書房

まさにこれ。

「事業ゴミシールを貼っていないゴミを回収しないと言い出せば、一週間もあれば街はゴミだらけになる。」本当です。

繁華街を害虫や害獣のパラダイスにしてはいけません。やはり、街に遊びに来る方のパラダイスにしなければ。ゴミで溢れ、ゴキブリやネズミが集まる街に飲みに行きたいと思うでしょうか。

最後に

僕はごみ清掃員として働いてきて、汚い集積所はルール違反のゴミが何度も出され、逆に綺麗な集積所にはルール違反のゴミを出しにくい故に綺麗な集積所であり続けるのを見ている。ゴミやゴミに関する考え方は伝染するのを八年間、僕は嫌というほど見てきた。

マシンガンズ滝沢修一(2020)『やっぱり、このゴミは収集できません』白夜書房

この文章の集積所を街に置き換えると、今の二丁目は前者の方かもしれません。でも、10月から事業ゴミシールの徹底化により、街にゴミ山が増えたことで、これではいけないという考えが広がっていると思います。

ごみ清掃をする人たち、民間委託に自ら契約する人たち、SNSで二丁目のゴミの状況に嘆く人たちや怒る人たち、誇れる二丁目LGBTタウンの結束力で、どんどん伝染していくといいですね。

読んだ感想みたいなのを期待された方、すみません!

結局、二丁目の話ばかりになってしまいました・・・

東京都の最終処分場(不要品のうちリユース、リサイクルが困難なものを処分するための施設)の寿命はあと50年といいます。でも、日本中のごみを東京都が受け入れれば、その寿命はあと20年になるとか。

少しだけでもゴミに関心を持つ人が増えて、その少しが積み重なって大きなものになることを願います。

そのきっかけのためにも、皆さま是非一度読んで”ゴミ道「初級」”になりましょう。